新年、明けましておめでとうございます。
今年一年皆さまにとって素晴らしい年となりますことを祈念申し上げます。
さて、今年は戦後80年という節目の年です。先の大戦では日本はもちろんのこと世界中で尊いいのちが失われました。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。
現代を生きる私の住むこの世界はいま平和であるのかを考えると暗い気持ちになるのが正直な心境です。世界中で争いが継続され、悲惨な状況が報道されています。一体私に何ができるのでしょうか?自分の無力を感じざるを得ません。
そんな自分に勇気を与えてくれるのが、お釈迦さまです。「すべての者は暴力におびえ、すべての者は死をおそれる。己が身をひきくらべて、殺してはならぬ。殺さしめてはならぬ」「すべてのものは暴力におびえる。すべての生きものにとって生命は愛しい。己が身にひきくらべて、殺してはならぬ。殺さしめてはならぬ。」(『ブッタの真理のことば・感興のことば』 129 130 中村元訳 岩波文庫)この二つの詩は私にとって心の拠り所です。まさにいまこの時代にこそこの教えを拠り所とすべきです。もちろん簡単ではないことはわかっています。時代が大きく変化する中でこの教えを伝えていくことを尻込みする自分がいます。そのような中でまずは自分自身の身近なところから、平和を求める活動・行動をしていくことが大切であると感じています。お寺の身近なところに、しっかりと目と耳と心を開いて、声なき声を感じ、また声を上げている方がいらっしゃれればその声をしっかりと受け止めていくことから始めていきたいと思います。
最後に「生きとし生けるものは、安穏であれ」『スッタニパータ』。この宇宙に存在するすべてのものが穏やかであってほしいとの釈尊の願い・誓いを噛みしめ、行動する一年にできればと思っています。
安禅寺 住職 合掌